ゲルインクボールペン ― 友達、だったんだろうね ― ― 今思うと、本当に彼が友と呼べる存在だったのかは分からないけど ― ― そのころの僕にとっては ― ― 唯一の友人で ― ― 真に心を許し、全てを捧げるに値する絶対君主だった ― 「はぁー、まただよ。ったく、俺ってば馬鹿だな。」 16年間眺め続けた天井がひどく異質なものに見えてくる。 やっ、違うか ここにあるものは全て普通の調度品ばかりだ。 別に喋るわけでも変な力があるもんでもない。 俺に何の危害も加えない、人の手で作り出した物達ばかり。 それなのにこの違和感―――――、 ああ、そうか 異質なのは、・ ・ ・ ・ ・ 俺だ 公衆トイレの便器から異世界へ行って、 勇者ならまだしも、あろう事か魔族の王様なんかをやってて、 名付け親に会えて、婚約者が男で、この年で娘を持って、 あの国に、眞魔国にもっと居たいみんなに会いたいと、そう思っちゃってる馬鹿な高校生だから。 だからですか、神様? 俺に、こんな夢を見せ続けるのは。 俺がここにいては行けない存在だから? 神様なんて、いるなんて思っちゃいない。 けど、やっぱ人間困った時は何にでも縋りたくなっちまう。(俺、魔族なんだけど) キリストでも良い、悪魔でも、・ ・ ・ ・ ・ ・ 眞王でもいいから お願いです、この記憶を消して、あいつの言葉を、無かったことにしてください。 あいつの顔を、あの時の表情を黒く覆い潰して見えないようにしてっ 感傷に浸る顔も、湿り気を帯びた声も、少し潤んだ瞳も、何もかもを。 決して二度と思い出せないように、思い出さないように。 じゃないと、俺はっ! ― ねぇ渋谷、僕は本当に永い永い時間を歩いてきた ― ― 多くの人と会ったよ、善い人にも悪人にも ― ― 渋谷 ・ ・ ・ 君は笑うかもしれないけど、 ― ― 僕はね、君に救われたんだよ? どこまでも透きとおった君に ― ― 信じてくれなくても構わない、けどね、 ・ ・ ・ ― ― 彼がいなくなって、乾ききっていた僕の世界に水を垂らしてくれたのは、 ― やっちゃいました、突発ネタ SSにしても短すぎる、ちなみに10分もかかってないです。 なんでか、村田の言葉がふと思いついちゃったんですよねぇ〜 不思議です、本とか読んでたわけでもないのに。 私にしてはシリアスチックな出来で。 王道はコンユ、ヴォルユなんでしょうが、私は断然ムラユ(ユムラ?)を応援! 村健好きなんですvv むしろ彼のCPなら何でも良いっvvv(オイッ)
date:2006/09/13 By 蔡岐
【宿花(閉鎖されました) , "ゲルインクボールペン" …「何でもありな100のお題」より 】 |